第四期理事会が発足しました
寒中お見舞い申し上げます。
この冬は寒暖の差が激しい毎日となっていますが、皆様、お変わりなくお過ごしでしょうか。
ご挨拶が遅れましたが、一月に第四期理事会が発足しました。これから二年間、新旧メンバーが一丸となって、歴史言語学研究の活性化をめざしてがんばりたいと思っています。よろしくお願いいたします。
歴史言語学の研究は、最近、ずいぶん幅が広くなってきています。言語間の系統関係の検証や比較方法の応用に加え、言語変化に関わる共時現象の観察、理論的なメカニズムの解明、言語習得やバイリンガル場面における関連事象の研究など、国際的にも、様々な分野の専門家が語族を横断し、「言語変化」をキーワードに参集する場が増えてきました。日本歴史言語学会でも、伝統的な研究の成果を積み重ねる努力に加え、新しい研究分野の推進にも積極的に取り組みたいと考えています。会員の皆様方からもアイデアを募り、ご協力をいただきながら、これから二年間、進めて参ります。
みなさまのお力添えをどうぞよろしくお願い申し上げます。
第四期会長
菊澤律子
拝啓
各地の桜の開花はやや遅れているようですが、親愛なる日本歴史言語学会の会員の皆様にはいかがお過ごしでしょうか。後藤敏文、千種眞一両会長の後任を拝命して早2年目となりました。新年度にあたり、ごあいさつを差し上げます。
昨春、熊本を中心に大地震が勃発したことは記憶に新しいところです。まずは被災された方々にあらためてお見舞いを申し上げます。
被災地近隣の福岡で開催された2016年大会は、被災地域の早期の復興を祈念する意味を込め、従来にも増して活発なものになるよう願っておりましたが、大相撲とアメリカズカップとの日程重複による宿泊事情の悪化にもかかわらず、おかげさまで多くの方々に九州と全国各地、そして海外からもご参集いただくことができました。日本語を含めた東アジアの諸言語を広く深く研究されている久保智之先生(九州大学)と、日本が誇る世界的ゲルマニスト鈴木誠一先生(関西外国語大学)のご講演には大いに蒙を啓かれましたし、ポスターと口頭による研究発表も恐らく例年以上に活発かつ興味深いものでありました。
刷新された編集委員会によって編まれた『歴史言語学』第5号は、既刊では扱われなかったアイヌ語とギリシア語等の歴史的研究、そして新たなコーパスや構造文法からの視点等を含み、既刊とはやや趣を異にしつつも、従前と同じく大いに興味をそそる内容となりました。
加えて、懸案であった学会閑散期の啓蒙的なイヴェントとして、この3月には研究社の格別のご協力を得て、都心飯田橋にて「ソシュールと歴史言語学」と題した公開シンポジウムを開催し、現代言語学の祖とも称されるソシュールが本来の専門領域である歴史言語学に残した、今日でも色褪せることのない優れた業績を紹介することもできました。。
耳に届いた好評にも鼓舞され、同シンポジウムで行われた基調講演3件を中心に据えて、同じく懸案であったモノグラフシリーズの第1巻を編む企画が進行しつつあります。万事首尾よく運べば、本2017年大会に合わせて刊行されることになるでしょう。
さまざまな枠を超えて「ともに学びあい、ともに高めあう」健全な状況がますます整備されようとしていることは誠に喜ばしく、皆々様の各方面でのお力添えに、執行部を代表して篤く御礼申し上げます。
つきましては、状況をさらに健全なものにすべく、本年も『歴史言語学』への投稿、大会での口頭ないしポスターによる研究発表、モノグラフシリーズへの応募等に関し、会員諸兄には従来にも増して前向きにご検討いただき、講演その他の企画にご協力いただくなど、なお一層のお力添えを賜りますよう伏してお願い申し上げる次第であります。
なお、別途ご案内がありますように、本2017年の大会は12月9~10日、交通至便の大阪学院大学(大阪府吹田市)にて、また明2018年の大会は12月初旬ないし中旬に東京大学駒場キャンパス(東京都目黒区)にて開催される予定であることを申し添えます。
蛇足で恐縮ながら、2016年大会の総会において会費と学会誌にかかわる規定改定がなされたことに注意を喚起させていただきます。
2016 までの年会費 | 学会誌代(市販) | 2017 以降の年会費 | 実質的値下げ額 (税率8%の場合) |
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普通会員 | 4000 円 | 定価2500 円+税 | 6000 円(学会誌代込み) | 700 円 |
学生会員 シニア会員 |
2000 円 | 3000 円(学会誌代込み) | 1700 円 |
学会誌『歴史言語学』の製作・販売は外部の出版社に委託されていますので、従来、会員の皆様には年会費を納めていただくことに加えて『歴史言語学』を別途お求めいただいておりましたが、このたび、さまざまな事情から2017年度よりシステムを改めることとなりました。『歴史言語学』は従前同様に市販本として会員・非会員の別なく我が国の歴史言語学徒を結ぶ役割を負いますが、今後、本会会員は『歴史言語学』を無償でお受け取りいただくこととなります(無論、しかるべく年会費をお納めいただいた方に限ります)。確かに見かけの上で年会費は値上げとなりますが、上表記載の通り、実質的な負担は従前よりも軽減されます。新たな会員の入会を促す呼び水となれば幸甚であります。
皆々様の新年度におけるご成功とご多幸、そして何よりもご健勝のほどをお祈り申し上げます。
敬具
日本歴史言語学会会員の皆様
2017年4月吉日
日本歴史言語学会会長 神山孝夫拝
●ごあいさつ(第三期会長 神山孝夫) 2017年4月吉日
●ごあいさつ(第三期会長 神山孝夫) 2016年4月吉日
●新年度のご挨拶(第二期会長 千種眞一) 2014.4.16
●日本歴史言語学会からのお知らせ 2013.2.28
●新年のご挨拶 2013.1.1